【製品について】 フランスAudax社が本格的にアメリカに進出する以前、まだ、フランスMontreuil に拠点を置いていた時代の、それもアルニコ・マグネットを搭載した、希少なロクハン(17cm)フルレンジ ・ユニット、T 17 PB 9を、レトロな雰囲気が漂う、古いラジオ・スピーカー用キャビネットに納めたシステム。モノラル用、1本での出品です。 1950年代後半から’60初めの、アルニコ・マグネットが採用されていた時代、Audaxのフルレンジには、サイズによりT17、19、21、24のシリーズがありました。PAはホールやスタジオ・ユース、PBはホーム・ユースをねらいに製作されていました。(最後の番号は、マイナー・チェンジによりナンバーが降られていたようです。)以前、同じAudax 社のT 21 PA 12が納められたスピーカー・システムを手掛けたことがありますが、このユニットは重量級の赤バン・アルニコのプロ用タイプ。出品のT 17 PB 9は、一般的なアルニコ・マグネットを搭載した、ホーム・ユース用のユニットになります。豊かな響きと高い浸透力が魅力のPAシリーズに較べると、音の強さは少し後退しているようですが、音楽の柔らかさ、ふくよかさという点ではPBシリーズの方に軍配が上がるように感じています。いずれも、量感豊かな低域ときらびやかな高域という、古き佳き時代のフレンチ・サウンドを体現したユニットですが、評価は、好みにより分かれることになると思います。エンクロージャーは古いラジオ・スピーカー用キャビネット。乾燥の進んだ材質やレトロな雰囲気には好感がもてますが、この手のキャビネットの弱点は側面の曲げ合板。スピーカー用キャビネットとしては薄手すぎるため、ユニットのエネルギー量にもよりますが、このシステムでは、画像5にありますように、厚手のフェルト地を貼ってデッドニングしてあります。システムの音質としては、ビンテージらしく、初期のAudaxの個性が十分に生かされ、フランス・ユニットらしいエスプリを感じさせるものになっています。艶っぽい独自の音色は、やはり魅力的。Radiogram等に使用された、比較的軽量なユニットを使ったことで、よく弾み、唄うシステムになっています。シングル・コーン・フルレンジですので高域はややマイルドに感じられますが、この個性的な音色は、それを補って余りあるものがあるように思います。 エンクロージャーのおよその大きさは、横幅29cm、高さ27cm、奥行き20cmになります。【商品の状態について】<エンクロージャーについて>〇 使用に伴うすり傷や打撲痕は幾つか見られますが、特に大きな傷みもなく、時代を考えると、まずまずの状態だと思います、底面に黒い線のような汚れが少しありますが、それ以外は、傷みや汚れの無い良好な状態です。〇 出力端子は、バナナ・プラグも使える新しいタイプのターミナルを、当方で取り付けてあります。〇 キャビネットの容量がやや不足気味に感じられたので、底面を３分の１ほど、オープンにしてあります。<ユニットについて>○ 古い製品ですが、画像にもありますように、コーン紙やエッジ、センター・キャップ等、特に、これといった傷みのない良品です。コーン紙の張りも十分に保たれています。○ 公称インピーダンスはAudaxらしく、2.５Ω。４Ωの扱いでよいと思います。【その他】 発送はヤマト宅急便、1ヶ口。送料着払いでお願いします。輸送中の何らかのトラブルで、製品としての機能に問題があったり、状態が説明と著しく異なったりした場合、2週間以内に、その旨ご連絡いただければ、返品は受け付けます。 なお、同時に、趣味の音響製品を何点か出品しておりますので、よろしかったら、そちらもご覧ください。